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あなたなら【公共財】にいくら出しますか?
前回の行動経済学のゲーム、いかがでしたか?
今回も、一つ有名なゲームをしてみましょう。
【公共財】ゲームというものです。
(【公共財】:全員が共同で消費でき、
特定の誰かの消費を妨げることが出来ない財・サービスのこと。
(例)公共施設、打ち上げ花火など)
あなたはAという人間で、他にB~Dまでの4人がいます。
今みんな2,000円ずつ持っています。
そして自分が【公共財】に
「この額なら払ってもいいな~」
という額だけ拠出してもらいます。
0円でもいいですし、2,000円全部でもいいのです。
他の人が何円払っているかは、わかりません。
そして、みんなが拠出した額を全部合わせて、×2(倍)
にしたものを 4等分し、分配金(お返し)として払います。
あなたは何円拠出しますか?
①半額の1,000円だけ払う。
みんなこうすると、どうなるでしょうか。
A(あなた):1,000円(所持金1,000円)
B:1,000円(所持金1,000円)
C:1,000円(所持金1,000円) ⇒4,000円×2=8000円
D:1,000円(所持金1,000円) (拠出金×2=分配金)
8,000円÷4人=2,000円で、
拠出金(1000円)の2倍の分配金
を各人がもらえました。
おっと、お得になりましたね。
A~D:所持金1,000円+分配金2,000円=3,000円
始めの2,000円より1,000円も増えちゃいました。
ウハウハですね!!
天使のささやき【パレート最適】
では、誰一人として損することなく、
皆が一番儲かるにはどうすべきと思いますか?
ちなみに、
この「みんなが一番いい思いをするための方法」のことを
【パレート最適】と言います。
(他者を犠牲にすることなく、資源分配を最適化すること)
②2,000円全額拠出する。
A~D:2,000円(所持金0円)⇒8,000円×2=16,000円
拠出金16,000円÷4人=4,000円の分配金です。ですから、最終的に
A~D:所持金0円+分配金4,000円=4,000円
おおっ。
始めの所持金より2倍も増えてしまいました!
ヤッホー!!
これ、2000円だから
「まあ、全額出してもいいよな~」
って思いますけれど、
もし200万が400万になると考えると…!
全額出すのは、ものすごい勇気です!
(読者の中には、ポーンと200万円の拠出出来る人もいるかも!?)
みんなを信用して、勇気をもって全員が全額投資した時に、
うれしい結果になりましたね。
信頼がモノを言うゲームです。
悪魔のささやき【ナッシュ均衡】
では、反対にあなたが
「自分だけ出さずに、
皆の拠出金をもらっちゃえよ~」
という悪魔のささやきに従ったとします。
他の人たちを裏切って、自分だけタダ乗り
(【フリーライド】と言います)したら、
一体どうなるでしょうか?
③Aだけ0円の拠出(B~Dは2,000円拠出)
A(あなた):0円(所持金2,000円)
B:2,000円(所持金0円)
C:2,000円(所持金0円) ⇒6,000円×2=12,000円
D:2,000円(所持金0円) (拠出金×2=分配金)
12,000円÷4人=3,000円の分配金です。ですから、最終的に
B~D:所持金0円+分配金3,000円=3,000円
B~Dさんは、始めの所持金よりは増えたものの、
パレート最適より低い額になんだか釈然としませんね。
そして、 な、なんとAであるあなたは、
1円も拠出してないのに、
A:2,000円+3,000円=5,000円で
誰よりも一番儲けることが出来たのです!
それって、あり!?
(ありです。)
うーん。なんだか、このパターンは、
もらえた金額が一番多いはずなのに、
なんだかとても後ろめたい
背徳感を味わいますね…。
悪魔の蜜のような、ぞぞぞっとするお金です。
こうなったら、B~Dさんはとってもくやしいですよね。
で、みんながくやしくて、
「自分だけ損したくない!!」
と思ったら、どうするでしょうか?
そうです。誰もが拠出金0円になってしまいます。
この、皆が損したくないパターンのことを、
【ナッシュ均衡】と言います。
(各プレイヤーが、他のプレイヤーの戦略に対して
利得を最大にするという意味で
最適な反応をしているような戦略の組み合わせ)
でも、いやですよね。このパターン。なんだか疑心暗鬼で。
アンドロイド・エコンが下した結論とヒューマン・Mファ君の結論
ところがです。
経済モデルである経済人(ホモ・エコノミカス。略してエコン)は、
(このコラムでは分かりやすく
アンドロイド・エコン
と呼びましょう)
このナッシュ均衡を、(つまり全員拠出金0円)
合理的選択として選ぶのです!
「トウゼンノ ケツロンデス」
うーん、なんて冷徹なんだ。アンドロイド・エコン。
(ちなみに、アンドロイド・エコンなら
前回の引っ越しゲームは当然①です)
でも、安心して下さい。
実際の実験結果では、平均すると参加者は
(このコラムでは分かりやすく
ヒューマン・Mファ君
と呼びましょう)
与えられた金額の約半分を
拠出することが分かりました。
(『行動経済学の逆襲』 リチャード・セイラー著より)
やはり、人間には
他の参加者の利得を増やしてあげようという貢献度
(【互恵性】といいます)
があるのですね。
ホッとしました。
このゲームからも、
理論的な経済学と
人の心が通う行動経済学の違いを
認識してもらえたかと思います。
次回は、私が提案する
「行動ファイナンスを前提とした投資」
の核となる部分についてお話ししたいと思います。
お楽しみに!
管理人加納の独り言
今回の話はどうでしたか?
少し難しい話に聞こえますが
かなり人間的な話ですね。
私たちは
ヒューマン・Mファ君
他の参加者の利得を増やしてあげようという貢献度
(【互恵性】といいます)
の気持ちを大事にしたいものです。
行動経済学の本質を少しだけ
分かってきた気がしています。
そして
今後も楽しみになってきました♪
一緒に勉強していきましょうね。