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「行動ファイナンスを前提とした投資」を勧める理由 前編【保有効果】

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 行動ファイナンスを前提に??

疑問 ?

私は連載初回より、投資大国アメリカの
投資の教科書が推薦する

「行動ファイナンスを前提とした投資」

を一人でも多くの方に伝えたい思いで連載を始めました。

今回はその核心となる話です。

そう、
「行動ファイナンスを前提に」
…って一体どういうこと?
についてです。

【フレーミング効果】で答えが変わる不思議

フレーム

さて問題です。

①あなたは次のうちどちらがいいですか?

1万円、必ずもらえる
ジャンケンで勝ったら2万円もらえる。負けたら0円。

 

どちらですか?大抵の人は、
必ずもらえるを選びます。
(Ⓑが好きな人も、中にはいるでしょうけれどね)

この時の心理状態を
ヒューマン・Mファ君に解説してもらいましょう。

ヒューマン・Mファ君のつぶやき・・・

「うーん、だって、1万円、
とりあえず必ずもらえた方がいいじゃない

大きな得はしないけど、損もない。
人生そこそこがいいってものよ。

ジャンケンで負けて0円なのは、
出来たら一番避けたいよね」

 

ちなみに、この理論のことを
【期待効用理論】と言います。
(くじの効用水準の期待値が高い方を選ぶことで
リスク回避する理論)

 

次の問題です。

②あなたは2万円持っています。次のうちどちらがいいですか?

1万円、必ず没収。
ジャンケンで負けたら2万円没収。
勝ったら2万円持っていてよい。

 

この質問になると、を選ぶ人が多くなります。

この時の心理状態は…。

 

「えー、1万円、必ず取られるのかあ。
それはちょっと惜しいよなア・・・。

せっかく2万円もっているんだから、
出来たらこれを死守したいってのが、人間じゃない?

どうせ損するなら、
一か八か、ジャンケンして、
勝って2万円持っていたほうがお得だよね。」

 

あなたもこの気持ち、両方分かりますよね。

でもこの考え方、実はちょっとヘンなのです。

①②の質問、両方よーく見てください。

実は、この質問、同じことを尋ねているのです。

必ず1万円の所持金になる。
50%の確率で、2万円か0円になる。

ほら、そうでしょう?

単に、尋ね方を変えているだけです。

 

それなのに、前提条件を変えただけで、

リスクをとったり()、
取らなかったりする()。

これって、変ですよね。

 

合理的に考えて意思決定をするなら、
同じ内容なのだから、どのように伝えても
その人の意思決定を左右することがないはずです。

 

ね?そうですよね、アンドロイド・エコン。

アンドロイド・エコン

トウゼンデス。ワタシナラ ドチラモデスネ。

 

なのに、聞き方によって

ヒューマン・Mファ君は
になったりになったりしたのです。

この、伝え方の枠組み(フレーミング)
によって考え方が変わることを、

【フレーミング効果】
と言います。

(推論メカニズムにとって、
同一の内容の情報が伝達の際の
フレーミングの違いによって
意思決定に影響すること)

【保有効果】は太古の狩猟民族の呪い!?

原始人

そして、ここで大事なのが、人間に本来備わっている2つの心理傾向です。

前編の今回はそのうちの一つ
【保有効果】(一度手にしたら手放したくない)と
について、お話しします。

 

②のように、ひとたび人間はモノを所有してしまうと、

「なんだかとっても大切なモノ♪」

プレゼント持つ

と認識してしまう心理的傾向があります。

これが、【保有効果】です。

だから、②では、

「一度手にした2万円。
何としてでも死守したい!

と思ったのですね。

 

この【保有効果】実
とっても恐ろしい魔法
です。

なぜなら、
自分からなら買わないような
大して欲しいものでもない物でも、

ひとたび「持ってしまった」がために、

「なんだかとっても大切なモノ♪」
プレゼント持つ

にすり替わってしまうからです!

 

この【保有効果】を実験したのが、
2017年にノーベル経済学賞を受賞した

01

リチャード・セイラー氏
なのです。(詳しくは、コラム3回目

 

セイラー氏は、大学のロゴマーク入りマグカップという

大して欲しいものでもない物

(うちの薬大生協にもありました!(笑)
大学ロゴマーク入りのノートやペン。
買わずに卒業しましたが…。)

を学生にプレゼントして、聞きました。

「あなたなら、何ドルで売りますか?」

 

また、マグカップをもっていない学生に

「あなたなら、何ドルで買いたいですか?」

との質問をしました。

すると、平均するとなんと

「え?そんなしょーもないマグカップ、
買うなら2~3ドル(約200~300円)かな」

といったのに対し、マグカップを持っている学生は、

「いや、このマグカップ、
5.25ドル(約600円)でないと
売らないよ!

となったのです!

でもこの気持ち、あなたもなんとなくわかりますよね!?

 

う~ん、これぞ古代の狩猟民族である我らの恐ろしき呪い
【保有効果】なのです。

そう、「狩った獲物を大事に思う」というのは、
生命の存続に関わる
大事な大事な本能だったのでしょう。

先ほどのゲームを振り返ってみましょう。

ヒューマンMファ君は、この【保有効果】があったために
一度手にした2万円を失わない唯一の方法である
「あえて危険な賭けにでて、2万円を死守する」
道を選んだのです。

リスク

こわっ!

どうです?この理論をそのまま投資にあてはめたら、
とってもリスキーな行動を
とってしまいかねない恐ろしさ

分かっていただけたでしょうか?

この続きは、次回の後編へ。お楽しみに!

投稿者について

マネーリテラシーアドバイザー・薬剤師EMIKO
薬剤師。薬局・病院などを勤務後、現在、子育て中のアラフォー主婦。2005年、中村芳子『20代の今、やっておくべきお金のこと』を読み、ファイナンシャルの世界に入門。2014年より米国ETFを中心とした海外投資で運用中。損得に一喜一憂しない「行動ファイナンスを前提としたインデックス海外投資」を提案する。趣味は古今東西の19世紀末~20世紀初頭の文化・様式・芸術の研究。新聞の文芸欄掲載多数。

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