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【第16回】これぞインデックス投資の教科書だ!

 

リベラルアーツ

(今回から今更ながらタイトルにナンバリングしました。
自分自身が連載何回目なのか把握するため(笑))

Charles D. Ellis(チャールズ・エリス)の著書
『Winning the Loser’s Game
(邦題: 敗者のゲーム)』
は、

インデックスファンド投資家にとって
教科書的存在の本です。

チャールズエリス出典:モーニングスター

1985年の初版から、現在の7版に至るまで、
様々なマーケットの波があったにもかかわらず、
そしてその間、
様々な投資商品が生まれては消えたにもかかわらず、

全米累計100万部以上の
超ロングセラーであるというのは、
その運用哲学が
少々のマーケットの波には微動だにしない
確かなものであるからに違いありません。

(こういう、非常に確固たる運用哲学書が
多くの人にベストセラーとして読まれる
アメリカが羨ましい!)

 

ただ、本の内容レベル自体は、
投資初心者には少し読みにくい、
中級者レベルのものと思ってよいでしょう。

今回は、その内容を分かりやすく解説しながら、
インデックスファンドの魅力
をご紹介します。

(この原稿を執筆現在、
日本語翻訳本は第6版までしか発行されていないため、
2017年発行の第7版の原文を今回採用します。)

エリスがなぜ人気?
投資の概念を覆した先駆者だから

ボードゲーム

エリスは、
今はアクディブファンドが
インデックスファンドに
勝てない時代になっていると説きます。

なぜ、
「様々なテクを駆使して
市場平均以上を狙う一匹狼作戦」
であるアクディブファンドが、

「市場にただ乗っかっているだけの
コバンザメ作戦」
インデックスファンドに負けてしまうのか、

あなたは不思議に思うでしょう。

 

エリスはそれを、

「現在のマーケット(市場)が
『敗者のゲーム』になったから」

だと説明しています。

敗者のゲームとは?

 

「敗者のゲーム」とは何でしょうか?
彼はテニスを例に答えます。

テニス

Professional tennis is a winner’s game:
the outcome is determined by the actions of the winner.
Amateur tennis is a loser’s game:
the outcome is determined by the actions of the loser,
Who defeats himself or herself.

プロのテニスは
勝ち点を上げるプレーで勝敗が決まる

勝者(主体)のゲーム」

であるのに対し、

アマチュアのテニスは
失点を許してしまうことによって勝敗が決まる

敗者(主体)のゲーム」

である。

 

すご腕のプロの世界では、めったにミスを犯さず、
スーパー・ウルトラ・ミラクルショット!
を打つことで勝つことが出来る一方、

アマの世界では、
相手がショボいミスを犯すなど、
墓穴を掘ることで勝つことが出来る
というこの説明、確かになるほどな~と思いますね。

 3分でわかる!『敗者のゲーム』の一番のポイント

中心

Unhappily, the basic assumption
that many institutional investors can outperform today’s market
Is false.
Today, the institutions ARE the market.
They do more than 98% of all exchange traders
(中略)Because a basic change occurred
in the investment environment,(中略)
Now he or she competes with hundreds of thousands of the other
Hardworking investment experts in a loser’s game where the secret to
“winning” is to lose less than the others lose.
The central problem is clear:
As a group, professional investment managers
Are so good that they all make it nearly impossible for any one of them
To outperform the market.

残念ながら、多数の機関投資家
(個人投資家の対義語で、金融機関のこと)が
こんにちの市場平均より高い成績を上げられる
という前提は間違っている。

今や、取引の98%以上の存在である
機関投資家「そのもの」が市場だからだ。

この投資環境の変化によって、
今となっては、機関投資家は、
何百・何千という同業種のハードワーカーエキスパートと
「敗者のゲーム」を戦っており、そこで「勝つ」ための秘訣とは、
競争相手よりも出来るだけ失点を犯さないことになってしまった。

その根源となる問題は明らかだ。

とどのつまり、
プロのファンドマネージャーがあまりにもすごすぎるので、
その母集団である市場にどうしても勝つことが出来ないのだ。

 

要するに、かつて1960年代までは、
個人投資家が取引全体の90%で、
運用がズブの素人なもんだから、
一部のすご腕一匹狼が様々なテクを駆使すれば
(つまりアクティブ運用すれば)
市場平均以上のハイパフォーマンスがあげられたけれど、

いまや98%
(第6版では95%でしたから、また更に上がっています)を
めちゃくちゃスゴイ機関投資家
取引全体を占めちゃってて、
ダウやナスダックなどの
指数自体がもう一匹狼作戦になっているから、
個人投資家がさらにその上を行くのは
どうやったって無理ですよ、
ってことなのです。

 

だから、個人投資家である我々は、

もはや一匹狼作戦そのもの
と化した指数(インデックス)
ただ乗っかるだけの
コバンザメ作戦(インデックス運用)
でいこうよ、

というのがエリスの展開する論理です。
なるほど納得ですね。

 意外に気づかない?本書の決定的なデメリット

メリット・デメリット

うーん。
でも一方で、
なんだか頭がスッキリしない感じもしませんか?

私はそうでした。

この頭の中がどうもスッキリしない感は、
エリスさんのテニスという例えが
ちょっと悪かったからです。

 

テニスのプロ
⇒ スゴ技で勝つ「勝者のゲーム」

テニスのアマ
⇒ ミスしなければ勝つ「敗者のゲーム」

 

投資のアマ(昔)
⇒ スゴ技で勝つ「勝者のゲーム」

投資のプロ(現在)
⇒ ミスしなければ勝つ「敗者のゲーム」

 

と、プロアマの世界で
関係が逆転しているんですね。

そりゃ、混乱するはずです。

エリスはもう一つ、飛行機を例に挙げています。

 

飛行機のアマ(ライト兄弟の時代の昔)
⇒ スゴ技が飛ばせられる「勝者のゲーム」

飛行機のプロ(現在)
⇒ ミスしなければ飛ばせられる「敗者のゲーム」

 

いや、こっちのほうが分かりやすいって!(笑)

投資ブロガーさんでも、
あまり指摘してない部分ですが、これ、結構重要でないですか?(笑)

次回は、
初回でお話ししたお金についての勉強会を
シリーズで行いたいと思います。

お楽しみに!

投稿者について

マネーリテラシーアドバイザー・薬剤師EMIKO
薬剤師。薬局・病院などを勤務後、現在、子育て中のアラフォー主婦。2005年、中村芳子『20代の今、やっておくべきお金のこと』を読み、ファイナンシャルの世界に入門。2014年より米国ETFを中心とした海外投資で運用中。損得に一喜一憂しない「行動ファイナンスを前提としたインデックス海外投資」を提案する。趣味は古今東西の19世紀末~20世紀初頭の文化・様式・芸術の研究。新聞の文芸欄掲載多数。

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