投資商品で最も人気のある
株式投資と
投資信託(略して投信。ファンドともいう)
について3回シリーズで連載します。
今回は、混同しがちな
アクティブ運用とパッシブ運用、
アクティブファンドと
インデックスファンドの違いを、
例え話をしながら説明しましょう。
と、その前に、
株式投資についての仕組みや基礎的用語については、
一冊わかりやすい入門書を読むことをお勧めします。
初心者向けの本はたくさんありますから、
どれか読みやすそうなものを選んだらよいでしょう。
ちなみに、私は足立武志さんの
『らくらくネット株入門』(高橋書店)を持っています。
①【アクティブ運用】と【パッシブ運用】
(アクティブ運用のイメージ図)
アクティブ運用とは、その名(積極的)の通り、
値上がりしそうな個別銘柄を選んだり、
売買タイミングを図ったりして、
市場(マーケット)の平均以上の
リターン(利益)を狙うスタイルです。
つまり、
自らの力で誰よりも強くなろうとする「一匹狼作戦」
と思ってください。
対するパッシブ運用は、
その名(受動的)の通り、幅広く市場全体に投資して、
市場平均と同じだけのリターンを狙うスタイルです。
パッシブ運用の場合、
運用のために市場平均をあらわす指数(インデックス)を用いるので、
【インデックス運用】とも呼ばれます。
日経平均株価、とかTOPIX(トピックス)とか、
聞いたことがあるでしょう。あれがインデックスです。
日経平均株価という
でっかいジンベイザメ(インデックス)にぴったりとひっついて、
同じだけの利益を得ようとする作戦ですので、
「コバンザメ作戦」と思ってください。
ちなみに、パッシブ運用の場合、
インデックス運用とニアイコールの関係であるため、
主に【インデックス運用】と言われることの方が多いです。
これは、パッシブの語感がスゴ~ク悪いことも
理由の一つとして挙げられます。
日本人である私たちには
ピンとこないかもしれませんが、
【パッシブ運用】(Passive management)
と言われて英語ネイティブの方のイメージとしては、
「皆様、ご注目下さい!
本日の目玉商品は、ナ、ナント!!『元気がない・活気のない・やる気のない・
受け身で消極的な運用』という商品のご紹介です!」
(パッシブ運用のイメージ図)
ね?誰も買いたくないですね。
②【株式投資】と【投資信託】
日本人が一般的に
「私は【株式投資】をやっている」という場合、
値上がりしそうな個別銘柄を自分が選んで売買することで
利益を得ようというやり方を指すことが多いです。
そして、これは「一匹狼作戦」である
アクティブ運用でもあります。
株式投資とは、
「一つ一つ個人手配して、
誰よりもお得になることを狙う一匹狼作戦」
ということです。
ここで、あれ?
「株式投資に、インデックス運用はないの?」
とおもったあなた。するどいですねえ。
でも、よく考えてください。
株式投資を個人でインデックス運用しようとおもったら、
例えば日経平均株価225銘柄をすべて購入しなくてはならないのです。
それって、よほどの富豪でない限り、個人の力では不可能でしょう。
では、指数に含まれている全ての種類を購入して、
指数に連動した利益を得るにはどうしたらいいのでしょう。
ここで登場するのが、【投資信託】なのです。
【投資信託】とは、株・債券・不動産・商品などを
プロ(投資運用会社のファンドマネージャー)におまかせ(信託)して、
いいように選んでもらってパッケージ化した商品のことです。
旅行でいう「パッケージツアー型」ですね。
パッケージツアーですので、
グルメツアーみたいにとにかく食べる事だけにこだわったツアーから
ショッピングツアーなどいろいろ特色があるように、
株だけの投資信託、債券だけの投資信託、
といろんなチョイスが出来ます(【特化型】といいます)。
そして、投資信託には
【アクティブファンド】と【インデックスファンド】
の両方があります。
③【アクティブファンド】と【インデックスファンド】
【アクティブファンド】とは、
アクティブ運用をしているファンドのことです。
(そのまま!(笑))
アクティブファンドは高いリターンを目指す分、
手数料が高めです。
誰もしないような戦術を駆使するので、
当たり外れが非常にありそうな、
リスキーなにおいがしますね。
そう思って正解です。
「一匹狼(ファンドマネージャー)がさまざまなテクを駆使して、
どこよりもお得になることを目指すツアー!」
という感じでしょうか。
一方【インデックスファンド】とは、
インデックス運用をしているファンドのことです。
(またまた、そのまま!)
いろんな指数と同じ利益を得ようとする、
コバンザメ作戦のパッケージツアーになりますね。
「コバンザメが案内する、
人気ランキングベスト10を全部巡るツアー♪」
ランキングベスト10をただそのままめぐるだけですから、
手数料は低めです。
あなたなら、
アクティブファンド、インデックスファンド、
どちらを選びたいですか?
ちなみに、実際の人気はというと、
アメリカでは売れ筋トップ10の内8本がインデックスファンドです。
そして、日本はというと、
なんと売れ筋トップ10全てがアクティブファンドなのです。
どうして、こんな違いがあるのでしょう。
次回のテーマにして、深堀りしていきます。
お楽しみに!